その１６． オーストラリア ランセリン ２０１０
近くてよく知らない国のひとつ、オーストラリア。
ウインドサーフィンを始めた頃から、海外の友人にはオーストラリアに行くべきだよ！と言われていました。
でも、なかなか行く機会がありませんでした。
というのも、日本で一番メジャーなウインドサーフィンのゲレンデは御前崎。
西高東低の冬型の気圧配置が決まると必ずと言っていいほどの、強風と波が保証されるほどの場所。
大型休暇ともなれば、日本全国からウインドサーファーが集まってきます。
ウエイブのプロの大会が開催されるのも、ここ御前崎が多いので、日本におけるウインドサーフィンの代名詞です。
そんな御前崎では、風が浜から見て右側から吹くことがとても多く、そのため、日本でウエイブを楽しむ人にとっては、この風向き（スターボータック）を好む人がとても多いように思います。
もちろん、日本海側のゲレンデや千葉から始まる北関東の太平洋に面したゲレンデでは風が浜から見て左側から吹くポートタックが多いため、その波乗りを楽しむウインドサーファーも多いのですが。
加えて、日本から近くてそして世界中のウインドサーファーの聖地であるハワイ マウイ島のホキパビーチは御前崎と同じスタボータックの風がよく吹くゲレンデ。
自然、日本のウインドサーファーが海外でウインドサーフィンを楽しむ場所としてはハワイが一番人気。
対して、オーストラリアはポートタックのゲレンデが多い上、国が大きい上移動にかかる時間が長くなって、日本人のように短い休みでウインドサーフィンを楽しむという場合にはマッチしにくい。
更に、日本では冬がウインドサーフィンのメインシーズン。
各地でトレーニングキャンプがあったり、ウエイブの大会があったりでプロ選手も日本でトレーニングしています。
オーストラリアのウインドサーフィンのメインシーズンは１１月から２月ごろ。
どうしても日本のウインドサーファーが行ってみようという気持ちになりにくいのだと思います。
私の場合も、以前はトレーニングは夏と秋にマウイにいって、冬は日本でトレーニングをしながら大会に出場してきました。
なかなか行く機会がなかったのですが、昨年、いろいろな条件が整ったので、周囲にお願いしてお休みをとり、オーストラリアに行ってきました。
でも、最終的に行くことを決めたのは出発のほんの一週間前。
しかも、オーストラリアのウインドサーフィン事情というのはあまり日本では知られていないため、ネットサーフィンしてなんとか情報をかき集め、オーストラリアにトレーニングに行くと行っていたポーランドのジャスティーナに連絡をしてみたけれど、彼女も予定が変わってまだ自国にいるとのこと。
彼女と予定を合わせられなかったため、地元に住む日本人の方にコンタクトを取ることにしました。
自身もウインドサーフィンという塚本浩二さんのSunsetDreamsにお願いして、色々なことを手配して貰い送迎もして貰えることになりました。
慌てて、ガイドブックを購入してオーストラリアの基礎知識をインプット。
エアチケットを押さえて、航空会社にコンタクトし、超過料金について調べてその後パッキング。
ウインドサーフィンの道具もレンタルと両方で考えながら準備していきました。
ETAS（簡易VISA）を取得して、換金、ユースホステル滞在に備えて、様々な鍵を購入して荷造り。
そうそう、換金といえば、オーストラリアの紙幣はビニール製。
濡れても平気なんですよ。さすがオーストラリア！！！
ウインドサーフィンのセイルみたいに透明な部分もあって、とっても可愛いの。
必見の価値ありです。
今回、利用したキャセイパシフィックはなんと２０Ｋｇまでの荷物はウインドサーフィンの道具に係わらず無料とのこと。
これを利用しない手はない！！！
そこで、ウインドサーフィンの道具を２０Ｋｇ以内にし、それ以外の荷物は全て機内持ち込みにするため、８Ｋｇ程度にまとめました。
必要最低限の荷物しか持ち込めないため、ウインドサーフィンの練習に必要な物から鞄に詰めました。
ウエットスーツ、水着、使い捨てコンタクトレンズ、日焼け止め、基礎化粧品、サングラス、携帯電話、デジカメ、ガイドブック、洋服。
洋服に関しては、毎日洗濯するくらいの気持ちで本当に少しだけ。
でも、気温は結構寒そうだったので、長袖なんかも必要・・・。
ということで、洋服は全て着ていくくらいのつもりで、重ね着に重ね着をして、航空機に乗り込むことにしました。
エコノミー症候群予防のためのSKINＳを上下まず着て、Ｔシャツ、そのうえからロンＴ、そして薄手の長袖パーカー、厚めのパーカー、Ｇジャンという６枚重ね。
ボトムスもＳＫＩＮＳのうえに薄手のレギンスそして薄手のデニム。（この事実を想像できた人はいなかっただろうなぁ。）
途中、暑いのは我慢。
今回は、キャセイパシフィック航空を利用したので、香港乗り継ぎでパース空港へ。
キャセイパシフィックは初めて利用したのですが、機内食がなかなか美味しく、キャビンアテンダントのお兄さんもみんなかっこよくてなかなか良かったです。
さて私の知らなかったのですが、オーストラリアは独自の自然環境を保護する観点から、検疫や税関でのチェックがとても厳しいんです。
入国に関しては食べ物の持ち込みもＮＧ。必ず、一人ずつ、荷物をチェックされます。
そのため入国審査にとても時間がかかります。
疲れて外へ出て、まずは迎えに着て貰っていた浩二さんを探し、空港ビルを出たところで無事会うことが出来ました。
初対面でしたがとても気さくな方で、ご自身も長くウインドサーフィンを楽しんでいらしてそれゆえのオーストラリア在住と言うことで、宿泊先のユースホステルに送って貰う途中も色々教えて貰えました。
翌日は、まず軽く、パースの市内観光に連れて行って貰いました。
驚いたことにパースは大きなビルが立ち並ぶかと思えば、こーんな大きな木々が生い茂っていたりと、文化と自然のミックス具合がとっても不思議。
写真はスワンリバーにいる、黒鳥の親子？黒鳥はパース原産だとか。
少し高台からの眺望はこんな具合。
そしてやっぱり海はいいねー。
その後、宿泊先のランセリンへ向かうため、浩二さんにはパースの北のはずれの駅まで連れて行って貰い、そこでランセリンロッジのオーナーTrishとTrevにバトンタッチされました。
気さくなオージーといった風の、二人と会話を楽しみながら、ひたすら北上します。
これぞ、オーストラリア！というべき広大な草原と真っ直ぐな、本当に真っ直ぐな道が続いていました。
ランセリンまでは数時間。
ロッジは海まで歩いて数分の好立地。
ランセリンは小さな街なので、必要最低限のものしかないのですが、それがまた心地いい。
（物価が高いのは嫌だけど・・・・）
夜になると、辺りは真っ暗。
南十字星がとても綺麗に見えました。
相部屋はフランスからきたミレン（お医者さん＆ウインドサーファー）やアメリカからのキャシー（アパレルの関係のフォトグラファー兼ライター＆カイトサーファー）との滞在が長かったのですが週末だけの出入りもあり、楽しく毎日過ごせました。
２段ベッドは学生時代を思い出すねー。
ロッジは清掃が行き届いていてとっても清潔で、快適です。
ロッジのマスコットおばあさん犬のＴＯＢＩＮとおしゃまなＲＯＣＫＥＴ。
ビーチの前には芝生があり、寝っ転がっていると気持ちいい。
こんな浅瀬まで、イルカがやってくるんですよ！
かわいいドルフィンたちが見られました。
イガイガがとってもおもしろい植物。なんていうのかな・・・？
ローカルだけじゃなく、ドイツ、ベルギー、ドイツ、スイス等々各国からウインドサーフィンをにしやってきた人と浜ではすぐに仲良く慣れちゃうよね！
みんなのおかげで、たくさん練習してたくさん笑って、たくさんいい思い出ができました。
毎日、毎日ウインドサーフィンばっかりしているので、ミレンにもう少し他の事も楽しんだ方がいいよって言われてしまいました。
でも、充分、散歩したり、ウインドーショッピングしたり楽しめたんだけど。
ステイ客にはウインドサーファーやカイトサーファーそして常連が沢山。
とても楽しく、和やかな雰囲気です。居心地がいいからみんな常連になったり居着いちゃうんだよね。
基本的には、避寒ということで北ヨーロッパからの旅行客が多いみたいでした。（特にウインドサーファーやカイトサーファーだとね。）
食事をしながら、気軽に仲良くなれるのが本当に楽しい。
フランスからきたカップル、画家で奥様の二コールとディスパッチャーで旦那様のバーナード。
帰国後も心配して連絡をくれます。
クリスマスパーティーには間に合わなかったんだけれど、なんとロッジの２５周年記念パーティーがありフルコースの美味しいお料理がステイしているお客さん全員やＴｒｉｓｈ，Ｔｒｅｖの旧友達に振る舞われました。
ケーキはミレンが担当。全部美味しくて食べ過ぎました！
そしてワインが入っているとは知らずに、フルーツパンチを飲んで、酔っぱらい・・。
いやぁ、楽しかった。
日本からきていたゆりちゃんは、ユースホステル＆オーストラリア初めての私に色々教えてくれて、彼女の御陰で最高の旅になりました。まだあちらで過ごしているゆりちゃん。
彼女に毎日最高の出来事があるよう祈っています！
そして、なんといっても温かくて優しくて素敵なTRISHとＴＲＥＶ。
また、会いたいと思わせてくれます。
日本に帰る前には、国立公園に連れて行ってくれました。
カンガルーが手の届きそうな近くにたーくさん。
自然に草をはんでいます。
親子カンガルーもいたりして超可愛い！
やっぱり、オーストラリアにきたら、カンガルーとコアラは必見。
コアラは夜行性なので・・・と夕方に連れて行って貰ったのですが、また木の上で寝ていたところから起きて顔を上げたりしているところだったので、あまりいい写真や動画は撮れませんでした。
でも、生で見られて、とっても可愛かったです。
そしてオールスドルフの駅でまたまた浩二さんにバトンタッチ。
最後は空港でお土産を買うのにもつきあって貰いました。
父にあったかいムートンのスリッパを買いました。
毎日、楽しくてあっというまに時間が過ぎて夢の中に居るようでした。
無駄な物が何もなくて、でも全てがここにある。
私のオーストラリアの印象はそんな感じ。
写真には収まりきらないその魅力。
近くてまだまだ知らないことだらけの不思議な国、オーストラリア。
是非、あなたも旅してみることをお勧めします！