その４．関東地方＿東京都＿新島
雑誌でみてあこがれていた、伊豆七島の新島。
サーフィンの国際大会も開催されている有名な浜がある。
ただ、ウインドサーフィンをやりにいくのはそんなにポピュラーなことではなく、島の中で、どうやって浜まで道具を運ぶのかもよくわからない。レンタカー？でも聞くところによると、浜は長く、ウインドサーフィンやサーフィンのポイントまでは結構な距離を歩かないといけないらしい。
風もそんなに強くくは吹かないと言う。
一人で行くのは難しいなぁ。
それが第一印象。
いいな、行きたいな。
そんなふうにぼんやり考えていたとき、私の元に朗報が届いた。
毎年、新島に行っている方が、ウインドサーフィンの大会を開催するので、出場者を募集しているというのだ。
行くしかないよね！
即決し、連絡をとり、準備を始めた。
新島には高速船が東京の竹島桟橋から、静岡県の下田からフェリーがでている。
私は船着き場を友人に教えて貰い、トラベルバッグに梱包したウインドの道具を積み込んで車で家を出発した。
およそ３７０キロくらいかな？ご存知のループ橋を通って天城越え。へとへとになって、港に到着し、車で船の時間まで仮眠。とはいえ、このときは梱包した道具のせいでシートも倒せない状態。運転席に座ったままとにかく仮眠。
総勢十数名の仲間と一緒にいざ乗船。
大会のオアーガナイザー側で用意して貰ったコンテナにみんなの道具をつみこみ、しばし船の旅。
うとうとしながら気づくと新島に着いていた。
港に旅館の方が迎えにきてくださっていて、車に荷物を載せ変え、島特有のぐねぐねした細い道を通って旅館へ。
荷物をおろして、今度は海へ。
いよいよ。
今まで観たことのない、エメラルドグリーンではなくスカイブルーの海。
砂にケイ素が含まれており、（ガラス製品が作られていたりもするが）真っ白なため本当に水は水色をしていて、砂浜は真っ白。美しいの一言だ。
たくさんのサーファーがすでに海に入っていた。
わくわくして喜ぶのもつかの間、重いウインドサーフィンの道具（たくさんあるからね・・・）を３０分近く歩いて運ばなければならない。もちろん、スーパージムニーが１台あり、それも使うのだが、何せ今回の旅では人数が多く、大会をやるということになっていたのでみんなセイル１枚、板１枚というわけではなくもう少しずつ道具を持ってきた。人海戦術で手分けして道具を運ばないといけない。
早く乗りたいよーと重いながら歩いていると、「 ゴロゴロ、ごろごろ 」轟音が響いているのが聞こえた。
？？
なんと波打ち際は大きな石がびっしり。それが、波に打たれて、転がり、轟音をたてていた。
この強敵はウインドサーフィンをしていても、サーフィンをしていても私を相当びびらせてくれた。
大きな石は波にうたれて回転し、表面がまるくなっている。そのうえに苔がはえ、ますます滑りやすくなっていて、かつ小石ではないため、道具を破損、足を挟んだりする可能性もある。
小心者の私はびびりまくっていた。
でも、お天気がよく、きれいな海水、波、そこで仲間とウインドサーフィンするのは楽しかった。
あいにく、始めに乗っていた場所はママ断層という絶壁の正面であったため、風が反射して、複雑にオフショアのブローが混じってウインドサーフィンをするのはなかなか難しかった。
波がいいのでそれを掴むと自分でも信じられない、よいライディングが可能だが、ブローが抜けるとぱたっと無風になる場所があり、浮力のある板を使用しているのにもかかわらず、沈してしまったりする。
でも、気の置けない仲間とのセッションは最高に楽しかった。
アフターウインドは水着で入れる地元の無料の露天温泉があり、星を観ながら入れて最高の気分だ。
毎日、朝からサーフィンして、おいしい旅館のご飯を食べて、難をいえば、思っていたより湿度が高く、濡れたタオルなんかをそのまま干していても夜の間にぱりっと乾かないこと。
島といえば、ハワイなんかをイメージしていたからこれは以外だった。
観光客用のおみやげやさんや食べ物やさんなんかも町のほうにはあって、なんだかおもしろい感じがした。
最終日には、そこからさらに３０分歩いた突端の風が入る場所で、観るものを魅了するセッションが行われたが、あいにく私はそのまえにいつもの場所で海にでていて、オフショアがきつく、風が弱くなり、浜に戻ってくるのに手こずってその場所にいけなかった。
いつか機会があれば行ってみたい。
この島には是非、仲間と訪れてほしい。
きっとその方が一人よりも何十倍も楽しむことができると思うから。