その８．ポルトガル２００７
２回目のポルトガルへの旅。ポルトガルで友人もできたし、今回は安心安心、などと思っていた旅。なんと、衝撃的な旅になってしまいました。
今回も、メインの目標はPWAの大会。そのため道具の準備をを念入りにし、フランスのドゴール経由でポルトガルへ。
めずらしく空港カウンターでのもめ事もなく、何のトラブルもなくリスボンへ。うきうきしながら荷物が到着のゲートにでてくるのを待ち構えていた私の眼に、信じられない光景が飛び込んできた！！！
ボード２本、マスト２本、ブーム１本、ボードケースが全損（￣□￣|||）
翌日から大会だというのに・・・・・・。乗る道具がないっっ。
空港でクレームの手続きを済ませ、宿へ荷物を運びこみ、浜へ急行。
地元の大会主催者のコンテナへ向かい、開口一番、「久し振り、会えてうれしいわ。ところでっ誰か助けて〜！！！」
昨年お世話になった友人もびっくりして、「どうしたの？何があったの？」と心配顔。
私が事情を説明すると、Linaが息子のPauloを紹介してくれた。彼ならあなたを助けてくれるわ。」とすぐに電話をしてくれた。 Pauloは元ポルトガルのナショナルチャンピオンでPWAの大会でも表彰台にたったことがある実力派のWAVERにして自分のウインドサーフィンショップを経営する経験豊富かつ人望もある人物。
初対面の私の無理なお願いもすべて聞いてくれた。
何とか、板とマスト、ブームを手に入れ、浜に戻ってセッティング。
翌日からの大会に出場はできそうになってきた。
とりあえず、一乗りするが、慣れない道具でなかなか思うようなリッピングができない。
でも、ここまで来て出場不可能という最悪の事態はポルトがルの友人のおかげでまぬがれることができた。
いつも優しいSofy（左）とLina（右） 頼りになるPauloとそのお店（下）
宿泊先の町並みは大好きピンクでかわいいお家だらけ。これが標準なんですよ。
壁にはもちろん、タイル！
街角の地名を示す看板もかわいいタイル製。そして代表的な石畳はこんな石ころをトントン棒で上から叩いて埋め込んでいました。
原始的だけれど、アスファルトのようにお金がかからないから、という理由で街中はほとんど石畳。趣があるのだけれど、雨の日の坂道はめちゃめちゃ滑ります。
大会をしきっていたOverPower代表のIｚavel。
いつも笑顔で「何か困ったことはない？」と声をかけてくれてました。
そしてその彼女の息子にして、ジャッジも務めるPedoro。彼はよく「サーフィン行こうよ。」と風のない時に誘ってくれました。目もとがIzavelそっくり。
ビーチパーティーでほろ酔い気分のAntonio。ライフセーバーで大会のお手伝いもしてくれていました。「日本とポルトガルは離れているのに似たところがたくさんあっておもしろいよね。」とは彼の談。日本がポルトガルの文化を真似したからじゃないのかしら？そして、スタッフたちのお友達。
パーティーは大盛況だったけれど、おいしいポルトガルワインをSofyにすすめられ、調子に乗ってグラスに１杯飲んでしまったら・・・大変なことに。くらくらしてきて、おえっとやってしまいました。心配したUguとSofy、Lina、Izavelが宿まで送ってくれました。飲酒運転にならなくてよかった。
大会会場となる浜は海大好きなポルトガルっ子で週末ともなれば芋洗い状態。もちろん、駐車場も満車状態。そこで、大会関係者のみが浜の一番近くのエリアに入れるようになっており、その車の出入りをきびしーく監視しているのがこの老紳士。というか、地元のおっちゃん。もちろん、英語は通じません。でもポルトガル語であいさつしたりしていたので、私はいつも顔パスでした。それで帰る日にお礼を言うと、なんとっ手にキスをされました。文化の違いにびっくり！！！
気のいいおっちゃんなのでした。
そして、写真はないけれど、Joseという昨年帰る日にとってもお世話になった人にも会えました。彼はビーチバーで日中働いており、夜は管理人としてビーチに宿泊。見回りとかしてくれていました。日本にもいたことがあるんだよと言ってました。警察関係の仕事をかつてしており、その際に仕事で日本に行ったことがあって、大好きだよ、と。
それから、Miguel。彼は私がひとりで困っているといつも「手をかそうか？」と声をかけてくれました。そして彼が手伝ってくれていると、そのまた友達が手伝いに来て、またまた別の友達が手伝いに・・・とポルトガルの人たちはとっても親切。
お姉さんのようにいつも私の心配をしてくれたSofy（中央）と旦那さまのUgu（左）。でも、きっと私のほうが年上だ・・・。
彼らは普段リスボンの街のほうで別の仕事をしており、今回はお休みをとって大会を手伝いに来たという。本当にこういう地元スタッフのおかげで大会は成り立っている。今回も無事成立して本当によかった。私は納得いくライディングができなかったけれど、道具のせいもあり、そしてそれが実力ということでもある。精神的にはダメージを受けなかったつもりでも、ヒートが大会初日に行われたため、トラブル翌日ということもあり、なかなか集中するところまではいかなかった。いろいろな意味で未熟ということだけれど。大会は初日のヒートのみだったため、残りの日中帯は例によってサーフィンを楽しみ、別のポルトガルの友人と話をしたりして過ごした。地元のショッピングモールでのお土産ショッピングやレストランでの地元料理、などポルトガルらしさ？も少し楽しみました。観光とまではいかなかったけれど。
最終日にはみんなとゆっくり食事をして、また、来年ね。と言って別れました。帰国の際には荷物もUguが空港まで運んでおいてくれたので、レンタカーをゆっくり返すこともでき、トラブルなく帰ってこれました。
そして、おまけ。帰りもフランス、ドゴール経由で帰国したため、フランスでパティシエの勉強中だった大親友と待ち合わせ。彼女は私のリクエストに応えてたくさんのお菓子を作ってきてくれた。右下写真は生の桃のタルトとマカロン（金粉があしらってあります）そしてこのほかにもアップル・オ・ポムを焼いてきてくれました。お菓子を食べながら、空港のカフェでコーヒーを飲みつつ三時間くらい過ごしました。楽しかった。とってもおいしいお菓子はお土産にいただき、たくさんあったのに全部長いフライトの間にひとりで食べちゃいました。彼女は春から富良野のレストランでいよいよパティシエとして働きだします。自分の夢に向かってすすむ姿には私も勇気づけられ、背中をおされます。これからもお互いよい刺激を与えていけたらいいな。私もその昔、辻調理師専門学校の製菓学校へ行きたかったくらいお菓子作りは大好き。彼女の挑戦は羨ましくもあり、とっても応援しています。
ところで、私は進学校へ通っていたので、進路指導をする担任の先生が私の進路希望欄に書いてあった、「辻調理師専門学校」を読んで「和佳はわしをからかっているんですか？」と真顔でうちの親に聞いたらしい。母にもそんなことを真面目に進路指導の紙に書いたことは言っていなかったけれど、適当に返事をしておいたよと言ってました。結局、１８歳という若さで自分の将来の幅を狭めないほうがよいという親や先生の意向があり、受験をすることになるのですが、最終的には「やりたい仕事」に直結するという理由で今の職場の研修学校を選んだのだから、反抗期真っ只中の18歳の選択には自分でもびっくりする。間違っていなかったのだけれど、あの時道が二つに分かれていて私は今の道を選んだということなのだろう。旅の報告なのに脱線しました。
左下の写真は、最終的に日本に持ち帰ることになった壊れた荷物の山。これを全部持って帰るのは大変でした・・・・。
ともあれ、トラブルにあって大変だったけれど、やっぱりポルトガルは人があったかくて食事がおいしくて、街がかわいい。夏の海しか知らないけれど、水もきれいで波もあり、最高です。本当に大好きな国です。
皆さんも是非ぜひ訪れてみてくださいね。