その１２．ドイツ シルト島２００８
三回目のドイツ シルト島。
前回まではハンブルク空港でレンタカーを借りて、アウトバーンをひたすら北へ２５０ｋｍ走り、貨車に乗り込み、シルト島に渡っていました。宿泊はシルト島の北端リスト。大会が開催されているウェスターランドからは２０ｋｍ離れていました。
過去２回の旅でお世話になったレミーの家が大会会場から近いＴｉｎｎｕｍにあること、宿泊費が手頃であること、そして、帰国のフライトが午後遅い便で予約できた事から、今回は列車を使って行くことにしました。
昨年までは帰路のフライトが早朝であったため、自力で道具を運ばねばならず、レンタカーを利用していました。
その代わり、宿泊先は大会会場から離れていてもよいため、少しでも安い宿を、と考えた結果リストに宿泊することになっていました。
大会が開催されるウェスターランドはドイツ本土からの列車、貨車が着く駅で、おのずと島の経済の中心、観光の中心となっていました。そのため宿泊費用が高い上、一人でステイするのに向いている部屋はあまり存在しません。
バカンスは家族や友人と過ごすものだからなのかな・・・？
物価も高くスーパーマーケットで買い物をしても観光客向けのお値段になっており、少し離れた地元の人が出かけるスーパーマーケットで一度買い物をすると、ウェスターランドで買い物をする気になりませんでした。
その代わり、品揃えは豊富なのでおみやげ探しにはぴったりのお店がいくつもありました。
車の運転は大好きなので、アウトバーンをメルセデスなんかで走るのは超気持ちいいのですが、初めてドイツに行った年には道に迷って、フライト時間ぎりぎりになるというトラブルがあったため、結局今回は列車を利用したほうが安全かなと思い、大会主催者側にギアの搬送を予約しておきました。
ウインドサーフィンの道具の搬送はどの選手にとっても大変なことなので、大会主催者側がハンブルク空港からウェスターランドまでは大きなトレーラーで道具を運んでくれるのです。
空港に到着すると、指定された場所に道具を運び、身軽になって今度はバスで中央駅に向かいました。
ウインドサーフィンの道具は私のように必要最小しか持参しない選手でも、トータル６０Ｋｇくらいになってしまいます。
もっと減らすことはできますが、やっぱり大会なので、ある程度は持っていきたい。（でも、足りないけど）
トレーラーのブースですべての道具を引き渡すと、スーツケースとデイバッグという普通の旅行者のような身軽さになって、気持ちもうきうきしちゃいました。
バスのあとは、Ｓバーンを乗り継ぐことになります。
ドイツはかなり鉄道網もしっかりしているし、質実剛健なドイツ人気質から、定期運行にもにも期待が持てます。
事前にインターネットでＤＢの切符の買い方については調べていったので割合スムーズに自動販売機を利用して往路の切符を購入しました。（しかし、帰路はこの半額でチケットが購入できたので、何かミスっていたようです。）チケットをしげしげみても同じ内容に見えるんだけどなぁ・・・）
指定のホームに向かい、到着した列車に乗り込み一安心。ところが、入り口付近のルートマップを確認すると行き先がベルリンになっている。ここで乗り換えすることを思い出したのですが、どこで降りればいいのか分からない。やばい、先ほど旅程をしっかり係りの人に確認すべきだった・・・。でも後の祭り。
とりあえず、電車の中で訪ねることにしました。車掌さんがいればいいのですが、まずは乗り込んだ付近で確認することから。始めは間違えて、有料席にいたようで慌てて場所を変えました。
それから何人かに話しかけるのですが、英語が通じない。
結果的にサッカー少年を引き連れた方に尋ねると、自分たちもそこで降りるから、教えてあげるよ。ここに居て。と言われました。
あー、やれやれ。
で、駅に着き降りる。どの電車に乗ったらいいんだろう〜？と困っていると、次にくる電車がウェスターランドに行くからね。とどこまでも親切に教えていただきました。
よかったぁ・・・。
何とか無事にウェスターランドに駅に到着。
過去二年間とも、宿泊でお世話になっていたホストファミリーのレミーに今回はＴｉｎｎｕｍにある彼女の自宅横のお部屋を借りる事にしていたので、電話で連絡するとすぐに車で迎えに来てくれました。
レミーは英語が得意ではなく、私もドイツ語は話せないのですが、彼女はいつも笑顔で迎えてくれ、親切にしてくれます。お部屋に着くと、設備の軽い説明をしてくれ、彼女のお手製のクッキーとコーヒーをごちそうになりながら、お互い英独辞書を片手におしゃべり。
レミーお手製のケーキとクッキー。お供にブラックコーヒー。
ラブリーなレミーの自宅。右側の平屋の方を借りました。
室内もかわいい感じです。
疲れた体も心もほっと一息。
少ししてから今度はレンタサイクルのお店を探しに住宅地へ。
またまた道に迷い、地元の方に尋ねると、やっぱり英語が通じない。全く。
でも身振り手振りで説明すると、親切に身振り手振りで教えてくれました。レンタサイクルのお店は自宅横のガレージにたくさん自転車が置いてあって、親切そうなおじさんが出てきてくれたのですが、これまた英語が通じない。
小さいの小さいのと身振りで示して、自転車を用意して貰うのですが、大柄なドイツ人用。親切に用意して貰った綺麗な自転車は私にはどれも大きくて足が地面に着きません。自分で誇りをかぶった小さめの自転車をさして、出して貰ったのですが、ぎりぎり足が着くかどうか。危ないなぁと思いつつ、選択肢がないため諦めてレンタル料金を支払ってレミーの家に戻りました。
まずは、近所のスーパーに買い物に行き、食事の支度。
シルト島は、ドイツの北に位置し、とても寒い。そして雨がち。
観光で有名な島だけあって、自転車で軽く出かけるだけでこれだけの美しい景色に出会うことができます。
しかし、毎日寒い。
大会会場までは片道自転車で１５分程度の道のり。あったかレギンスの上にデニムパンツをはき、あったかタートルネックのインナーの上にコットンロンＴ、セーター、パーカー、ダウンジャケットを羽織り、さらに合羽とゴアテックスで雨を防ぎ（常に雨が降ります）、頭はニットキャップ、ニット手袋の上に防水手袋という完全防水＆完全武装スタイル。（可愛くない〜。）足下はレインシューズを買わなかったのでブーツ。（これは大失敗。次回は必ずレインシューズを持参または購入します）
それでも大雨、暴風の最終日はかなり厳しかった。結局びしょぬれになっちゃいました。
選手用の控えテント内は暖かいし、（ストーブかたかれている）温かい飲み物や食べ物も用意されているのですが、やっぱり１日中外という環境は厳しいです。
大会はコンディションが整わないと成立しないため、浜に設営されているテント（侮るなかれ、たくさんのレストランが出店していて、とっても立派なお食事がとれるのだ。グラスでワインを飲みつつ、ナイフとフォークで出来たてアルデンテのパスタをテーブルで頂きながらウインドサーフィンの試合を観戦する。クールでしょう？！お天気もとってもクールだけど・・・）興味を持たれた方は、2006,2007のシルトの旅のページを見てくださいね。
砂浜沿いに遊歩道が走り、テントを設営できるブースや、イベントを開催できる屋外ホールが点在し、カフェなんかもあるため、大会をやっていなくても観光客にとっては散歩コースになっています。さらにウインドサーフィンは人気スポーツなので、ワールドカップともなれば、浜は日本の祇園祭りのような賑わいをみせています。
これだから道具を運んだりするのは一苦労。
でも、俄然やる気わくよねぇー。
ちびっ子からは羨望のまなざしで見つめられたりもします。（日本じゃ考えられないかも）
大会は無事成立。
私は長い時間寒い中、待たされていただけで体力を消耗し、しかも突然の天候の変化を読み切れず、道具の選択ミスをおかしあえなく初戦で敗退してしまいました。
まだまだ修行が足りません。
女子の決勝戦は嵐が来たようなハードすぎるコンディションのためキャンセルとなりましたが、男子の決勝戦は本当にスーパースペシャルにEXTREMEなコンディションの中で成立。大雨の中、びしょぬれになりながらも目が釘付け。最高の試合を見させて貰いました。
帰国の前はひたすらあわただしくパッキング。道具をコンテナに積み込み、空港までの搬送をお願いして後は部屋に戻ってパッキング。出国の日は朝にレンタサイクルを返却に行き、（おじさんが散歩に出かけていて、電車に乗り遅れるところでした。）レミーに駅まで送って貰って無事電車に乗り込み、一路ハンブルクへ。
ほかの選手と一緒になったので空港までタクシーに同乗させて貰い、空港でも道具を運ぶのを手伝って貰っちゃった。
みんな紳士だぁー。
うれしいな。
そしてハンブルクからドゴール経由で無事帰国。
お陰様でトラブルなしの旅となりました。
でも、寒さで疲労困憊、航空機の中でも爆睡でした。
さて、最後に、私が食べたものの一部を紹介。
滞在中も基本自炊です。疲れているので、楽してエネルギーを得られる内容です。毎日似たような内容だなぁ。
でもドイツといえば代名詞のソーセージと、北の海で取れる魚介類ははずせないですね。
・・・食べ過ぎって？
でも、ちゃんと痩せて帰ってきましたよ。エネルギー使う方が多くて。
メルヘン街道も魅力的ですが、美味しいものも魅力的。
来年はドイツで何を食べようかな・・・？