その場所は、仙台で知り合った友人が教えてくれた。
「 夏にウエイブライディングができる最高の場所なんだ。 」
「 俺達がウインドサーフィンで最初にあのあの場所に入ったんだよ。 」
「 外国みたいにきれいな波がたつんだ。 」
きいているだけでわくわくして、早く行ってみたくなった。
まだ、当時の私は波になんか乗れなかった。
でも、波の中で乗りたかった。
地図を頼りに車を走らせ、たどり着いた海岸線には、本当に日本とは思えないような光景が広がっていた。
遠く外洋から押し寄せてきているのを感じさせるゆったりとしたメローで、かつフェイスの整った波。
サイズも申し分ない。
海岸沿いに車を走らせると、サーファーが波に乗っている姿も見かけられた。
今でも期待に胸を膨らませ、ハンドルを握っていたことを昨日のことのように思い出す。
果たして、その場所は私にとって、今でもそこで乗りたいと熱望してやまない場所の一つになった。
初めてその場所に行った時はあいにく、風が弱く、私自身があまりウインドサーフィンが上手くなかったこと、
また当時（１９９７年ごろ）の道具が今ほど微風の中で乗るのに適していなかったこと、などなど条件はよくな
かった。でも、せっかく来られたことがうれしく、天気もよくて、波がきれいで、なんとかセイルアップしながら海
にでた。やはりとっても気持ちよく、いつか絶対最高のコンディションで乗るんだぁーと心に誓った。
その日は突然雷が来て、The end となった。
以来、数回機会があると訪れている。
発電所ができたり、テトラが沈められたり、公園ができたり・・・・烏の浜をとりまく環境も様変わりした。
一番良いときと比べると・・・と昔のことを言われるとたまにしか訪れない私にはよくわからないが、今でも十分
すばらしい場所だと思う。
いつでも、また行きたいと思うのは、どうしてだろう。
他にも日本にはたくさん素敵な場所がある。
遠くてなかなか行けないからなのかもしれない。
変わらず、温かい地元のウインドサーファーやサーファーの人たちが居るからかもしれない。
その答えを探しに、また機会があれば、是非訪れたいと思っている。
夏の太平洋高気圧が張り出して、南〜南西風が入るような時、その瞬間が訪れる。
スタボーサイドで波付き。海水はクリアで少し冷たい。
雑誌で取り上げられたこともある。サーファーの間では良く知られている場所なのかもしれない。
他の場所と同じく、地元の方が大切にしている場所だと思うので、敬意と感謝の気持ちを持って海に入ろう。
誰かのお気に入りの場所になればいいなと思う。